「オール・ハロウズ(All Hallowsって知ってる?)」
ラビットプレスご講読の皆様!こんにちは!先月号で紹介いたしました紅葉の無名スポット、行ってこられましたか??今年はやっぱり気象条件の関係で、紅葉の見ごろは遅く、短くの残念な年回りみたいです。まだまだ11月の初旬ですから、近畿地方はこれからって所が多いみたいです。是非、紅葉狩りを楽しんで来てね。
ハロウィンといえば、かぼちゃのお化け??
オール・ハロウズとは、キリスト教の祝日の一つで、「諸聖人の日」。11月1日はカトリック教徒の用いる典礼暦(キリスト教会で用いられる暦で、1年の周期を太陽暦と同じくするが、1日の終わりは日没時としている)において「諸聖人の日」(日本では万聖節ともいう)とされ、11月2日は「死者の日」とされる。
「ハロウィン」の語源は、この「オール・ハロウズ」の前夜祭、つまり「ハロウズ・イヴ」が訛ったものと言われています。
紀元前1500年ごろに中央アジアから遊牧民としてヨーロッパに移動してきた「ケルト民族」が行っていた秋の収穫祭がキリスト教に取り入れられ、ケルト民族は大晦日(10月31日)を悪霊や魔女払いの日として、魔除けの仮面や仮装をして身を守った風習を、カトリック教徒が受け継いだと言われています。
「ハロウィン」のテーマが、不気味な恐ろしいもの(死を意味するもの、黒魔術、悪霊、魔女など)となった由来がここにあります。
この時期、ネイルもハロウィンが人気
何故「かぼちゃ」?それは収穫祭にお供えする野菜の中でも、大きくて、くりぬいたら工作しやすく、仮面を作るのに適していたから、程度の理由でしょう。本当は、「ジャック・オーランタン」と言って、かぼちゃではなく大きな蕪(かぶら)がシンボルだったようです。
「目覚めよ、亀田大毅君!」
先月の11日、WBCボクシング世界フライ級タイトルマッチが行われ、チャンピオン内藤大助が12R判定の結果、3対0で初防衛を果たしました。
試合後から、挑戦者亀田大毅選手やセコンドについていた父・史郎氏、兄興毅氏ら「亀田ファミリー」に対する批判がメディア、マスコミなどを通じて噴出。異例のコミッショナー処分(JBC)が下された後も、TBSテレビや亀田ファンを公言していた芸能人らに非難が浴びせられています。
入場する亀田ファミリー(写真:時事通信)
今回、父・史郎氏と3兄弟に共通する問題点の原点が教育の放棄にあるという点を取り上げているメディアは見ません。しかし、このことが騒動の根源であり、亀田家に係わらず広く日本の家庭問題教育問題の元になっているのではと考えさせられました。
3兄弟は父の指導と教育方針の下で現在の人格形成を為しています。父・史郎氏は、ボクシングという競技の本質を3兄弟に教えることは無く、対戦相手を「殴り倒す」ことのみを実践して教示してきたと言われています。様々な亀田批判の文章を読み、コメントを聞いてきましたが、なるほどそれぞれ素晴らしい見識と分析で、批判、擁護を問わず納得してしまいます。しかし、亀田家の人間は、それら多くの人々の言葉を理解出来ていないのではないかという節が感じられます。数々の言動や行動も、自分をアピールする方法、パフォーマンスの一つという見方もありますが、実のところそれしか出来ない、他の方法や応用と表現の仕方を本当に知らないのではないかと。
人間の意思表示は言うまでも無く言語です。言葉が無ければ思考も出来ないのが脳のメカニズムです。(生まれつき聴覚の機能に障害があっても、特殊な方法により言語的思考を訓練し、発声以外の方法による会話を成立させることが出来る・言語対応手話など)単純な単語の理解はともかく、言語と思考の関係や、言葉の応用を理解できなければ、感情や意思を言語で表現することは出来ません。ルールや反則は認識していても、自分がボクシングという近代スポーツ競技のプレーヤーとして今リングに立っているという前提が全く無ければ(そういうふうに教育されていない)、「強固な肉体と拳の戦い」「やるかやられるか」という亀田流格闘術と近代ボクシングの異種格闘戦でしかありえないのです。ですから今回、亀田大毅君は「ボクシング競技とはこういうものか…」程度の感想しかなかったのかも知れません。
ジョーも初めはボクシングを理解してはいなかった(提供:高森朝雄・ちばてつや・虫プロ)
今後、彼が「ボクシング」をするのであれば、ルールや常識や戦術よりも前に、まず、言語を習得し、思考を鍛錬し、そのうえで改めてボクシング競技に参加するか否かを判断することが必要だと感じました。人は教育という環境(学校というものだけを言っているのではない)がある程度整備されていなければ、人間社会には馴染めない固有の種になってしまうということが、ハッキリと示された出来事のように思います。マスコミはそのことを承知したうえで、亀田大毅君を「見世物」として利用しただけなのでしょうか。「鍛え上げた肉体で暴力を振るい、リングの上で歌う野蛮人がいる…」と。
《住生活を考える》シリーズ〜【10
町屋に代表される職住混合の形態は現代社会において大きく変化している
通勤時間ゼロ時間。交通費ゼロ円。昼食代、休憩時のお茶代不要の超合理的店舗併用住宅!職住一体型生活は無駄を排除した理想的なスタイルと言える半面、職住混合型は、取りも直さず家内工業の典型であり、父が、母が、子供たちが夫々の分野で職責を果たす家族関係が存在してこそ成立する住生活形態でした。現代の複雑な職域構造の中では、家族の参加を必要としない職種における家庭分離の問題や、プライバシー確保の難しさなど、心理的休息を得にくい住宅構造であることを充分に配慮しなければならないことが解りましたね。
店舗併用住宅は、家族の強い絆を必要とする住宅だったのです。
都市部の狭い敷地でもゆとりの住宅を提供(資料:アイフルホーム・スプリーム)
(この記事に掲載されている画像は記事の内容と関係有りません)
今回は、家族の絆を断ち切るかのごとく風評されている「3階建て住宅」に住む人々と、その住まい方にスポットを当ててみました。本当に住みにくい住宅構造なのか。家族は、夫婦は、バラバラになってしまうのか。「3階建ての暮らし」を取り巻く住生活を分析!!

「2階リビングで繋ぎとめる家族関係」

いつごろから個々人、それぞれの部屋を持つようになってきたのだろう?
都会の狭小住宅の救世主は、間取りを積み上げることで現れた!⇒

日本人の住生活の変遷過程でプライバシー確保の理念が根付いてきたのは、東京大学・吉武研究室(吉武泰水、鈴木成文ら)による食寝分離理論から1951年に提唱された戦後の公営団地(夢の間取り・51C型2DK)建設あたりから広く一般にその姿が知られるようになったと言われる。江戸時代の文献や、明治後期以後の住宅改造・文化生活運動、大正デモクラシーと呼ばれた「生活改善同盟」に代表される住宅改良の流れは、一般庶民とはかけ離れた富裕層にこそ、その影響が残されているが、住宅の形態が根本的に変わり始めたのは、やはり高度成長期を向かえ、一般庶民のマイホーム取得意識の高揚が見られた昭和30年代後半以降だと言える。

大正11年の「箕面住宅改造博覧会」出展作品(あめりか屋建築史)
戦後の日本経済はいくつかの転換期を経て現在に至っている。高度経済成長期、第1次、第2次オイルショック、平成バブル、不良債権整理に追われた「失われた10年」。激動の時代変遷とともに住宅の形は変体を繰り返してきた。公営団地の時代、プレハブ住宅と建売住宅。マンションの登場(建物の区分所有に関する法律の制定)、そして戦後最大の地価高騰を招いたバブル期に、もはや都市において土地取得は不可能と言われた時代の申し子、狭小宅地の3層住宅。
しかし、一度根付いた住生活理念はたやすく覆ることはなく、狭小住宅においてなお、プライバシー重視の狭小細分化の間取りを実現している。
敷地13坪に4SLDKのプランは見事!?(サンプル図面)
単に部屋数だけを揃えるだけでは消費者の指示を得られなくなってきた時代、設計者、施工者や販売企業は「生活動線」に対する研究と、プライバシーやコミュニティの融合を考えなければならなかった。そこで考案され頻繁に用いられた間取りが「2階リビング(LDK)」である。
複層構造の欠点である縦の動線を、コミュニティ空間であるリビングに結ぶために、1、3階からの移動を均等化した2階にLDKを配置し、分離しがちな家族の動きをまとめようとしたのである。
Posted by Vabbitkun| 不動産トピックス<No050-001>Nov-2007

「車庫と客間と子供部屋」

必要最低限の間取りは4LDK。客間1つと子供部屋は2つ、主寝室に広めのリビング、車庫は必要、予算は総額3500万円也…⇒

都会の象徴?である狭小宅地。庶民の生活水準は高度成長期に「国民総中流」といわれ、マイホーム・マイカー・海外旅行が新3種の神器などともてはやされていた。昭和40年代では内風呂の普及率が3大都市圏で40%に満たなかった(総務省統計局)のだが、庶民の物欲は旺盛で、欲求を充たさなければ消費の恩恵にありつけない経済構造の中で、メーカーや事業者は狭小地の車庫付複層構造建築を実現させていく。

建物の中に自動車を呑み込む形状の住宅が主流となる(イメージ写真)
マイカーまでも敷地内に取り込むことに成功した3階建て狭小住宅には、更なる試練が待ち受けていた。
家族以外が訪問してきたときにあてがう個室、「客間」が必要と言うのだ。
ここに興味深い統計がある。マイホーム取得者2000世帯を対象としたサンプリング(平成2年住宅調査集計有効回答率37%)において、年間を通じて友人、知人等が自宅に宿泊する回数のアンケートで、実に80%が年に2回以下(0回回答が内45%)と回答している。つまり、殆どの家庭で客は年に2回も自宅に泊まることはなく、客間の使用頻度は0.5%以下なのである。狭小住宅の機能的な間取りを追求するにあたって、殆どの居室が稼働率100%であるのに対して、一つだけ目的別稼働率が0.5%という無駄が存在する。
住宅生産者サイドが無理を承知で極小畳をしつらえ、ユニットバスの壁厚をmm単位で薄くしなければならない理由の一つがここに見て取れる。
使える空間は全部使います(天井裏ロフト:イメージ)
隣の植え込みなんかが窓から見えたら、それはもう我が庭にお借りして(借景:イメージ)
Posted by Vabbitkun| 不動産トピックス<No050-002>Nov-2007

「10mを繋ぐ点と線」

おばあちゃんの寝息と子供たちの寝言は聞いたことがありません。縦の移動は苦になりませんよ!エレベーター有りますから。⇒

建築基準法56条の2に規定される日影規制。住居系の地域に建築物の影を及ぼす場合、冬至の日照時間を基準として、一定時間の日照を確保するために定められた建物高さの制限で、第1種、2種低層住居専用地域内を除き、軒高10mを超える高さの建物に適用されます。(低層住居地域は7m超)
住宅建物では、1階あたりの階高が概ね3m前後(スラブ厚含む)ですから、3階建てはその3倍、つまり約10m足らずとなります。それ以上階層を重ねるとこの規制に係るため、都会の狭小地では建物の用途が極端に制限され、実際は居室として利用できるようなスペースが取れなくなります。
また、木造3階建ての住宅には通常の建築に掛る設計とは別に、構造設計と呼ばれる建物強度の計算が必要となっています。水平力、せん断力、引き抜きに掛る耐力計算と、工法別による耐震構造や壁量計算、それに基づく部材の仕様など、2階建てや平屋に比較してかなりの制限が課せられています。

規制範囲は、敷地境界線からの水平距離が5メートルと10メートルの2つの線を設定し、それぞれの線をこえる範囲において、規制時間以上の日影を生じさせてはいけません。(建築基準法56条の2)
という訳で、我が国では住宅建築の基本的なスケールが10mであり、3階建ては住宅におけるMAXスケールとして普及したという見方もあります。
この10mを毎日階段で上り下りすることは、予想以上に体力を使います。高齢者に至っては、それはもう生活の中に組み込めない苦痛の縦動線でもあります。この苦痛を緩和する装置が、家庭用昇降機、つまりホームエレベーターなのです。他に、高齢・障害者仕様の階段昇降機も開発されましたが、狭小住宅の階段幅員そのものが狭く、昇降機を取り付けるスペースを確保出来ない住宅が非常に多いため、その設備は殆ど狭小住宅には普及しなかったようです。
着座式階段昇降機(資料:長野昇降機サービス)
ホームエレベーターとは、個人住宅に設置されるエレベーターのことで、一般ビル用のエレベーターとは区別 されます。個人住宅とは、一世帯の住宅、同一世帯のみが使用する住宅で、共同住宅のように異なる世帯が利用する場合は設置できません。また、ホームエレベーターは2〜4階建て住宅に適用され、建築基準法上、昇降行程(エレベーターが走行する最下階から最上階の床までの高さ)が最大10m、昇降速度30m/分以下(従来は12m/分以下、2000年9月から緩和)、積載量200kg以下、エレベーター内床面積1.1m2以下と制限されています。更に、ホームエレベーターには使用者の規定もあり、設置住戸の同居世帯員しか使用してはならず、厳密には来訪者は使用してはいけないことになっています。
ホームエレベーターは年間3000台程度の普及(資料提供:1208HS型・松下ホームエレベーター(株))
既存住宅におけるエレベーターの設置条件は、建築基準法適合住宅に限られ、設置の際は建物の強度を確保する必要があります。また、エレベーターの確認申請を行政庁へ提出しなければなりません(エレベーター確認済証発行後に建築工事となります)。増改築の場合、増築面積が10m2以上や防火地域の場合は、建物の確認申請も必要になります。また、建物の強度が確保できない場合は、昇降路内にエレベーターを支える鉄塔(自立鉄塔)を建てる必要が生じてきます。施工床面積は3人乗りで約2m2、2人乗りで1〜1.7m2程度の設置スペースがあれば施工出来ます。しかし、最近価格が手頃になってきたとはいえ、300万円前後の本体価格と工事費、定期的なメンテナンス費用や維持費などのランニングコストを考えると、誰でも手軽に・・・とはいかないようですし、ましてやバブル期以降に建築された3階建て住宅には、土地価格を吸収するため、手抜き工事違法建築が相当数包括されていると言われていますので、自宅を調べてみると思わぬ「事実」に出くわすなんてことも珍しくないようです。
3階建てのプランニングには建築家も力を注いでいる(イメージ写真)
3階建て住宅は、都会狭小地の最適有効利用として登場し、事業者側の工夫と努力によって住宅スタイルのレギュラーポジションを獲得しました。様々な試みと研究の結果、2階リビングやビルトインガレージ、空間利用のロフトやデザイナー仕様など、魅力ある住宅としてのアイテムを揃えて来ました。しかし、住宅の基本はやはり人が住まい、暮らし、眠るという住生活の基盤となる器です。どのような形の住宅であるかに係わらず、住まい手はそれなりの覚悟と、人生のポリシーを持って住宅と向き合わなければなりません。3階建てに暮らすとは、家人の息遣いに耳を澄まし、縦の動線を楽しみ、狭小敷地の隙間に咲く名も無き花を愛しむ、そんな豊かで広い心が必要とされているのかもしれません。
Posted by Vabbitkun| 不動産トピックス<No050-003>Nov-2007
『しもやけと地球温暖化』
すっかり秋も深まり、朝晩は冷え込むようになりました。気付けば今年も残すところあとわずか…。本当に月日の流れは早いものです。
11月は別名「霜月」とも言われますよね。「霜が降り始める月」だから「霜月」という由来をご存知の方も多いかと思います。
たしかに段々と寒くなり、霜が降り始める季節になってきました。ですが、寒くなってきて思い出す「しも」、他にもありませんか?
私の場合は「しもやけ」です。子どもの頃はよく手足にしもやけができて、痒かったのを覚えています。近年、しもやけができなくなったのは、子どもの時のように雪遊びをしなくなったから?それとも地球温暖化による気温上昇のせい?なんて考えてしまいます。
ちなみにうちの母親は、毎年耳にしもやけができて困っていますが、暖冬だった昨年はできなかったようです。今年はどうなるのでしょうね。
Posted by 霜月探訪員2号| 時事通信〜しもやけと地球温暖化
<No010
-001>Nov-2007
ここ数年で地球温暖化を肌で感じることが多くなってきました。今年の夏も本当に暑かったですね。そして、暑い時期が長くなりました。9月は初秋であるという概念は、近い将来覆るかもしれません。

少し前までは、環境に対して危機感を感じ何か行動したいと考えていても、一体何から始めればいいのかわからないという人が多かったですが、最近では身近なところで簡単にできることが増えましたね。その中でも「マイバッグ(エコバッグ)運動」は実行している人も多いのではないでしょうか。
確かに、「買い物の際に自分で買い物袋を持っていく」という行為は非常に簡単で、誰でも気軽に始められます。「小さなことでも、ひとりひとりが意識すれば変わる」―環境問題全般にあてはまることだと思います。
今年の冬は平年並み?それとも暖冬でしょうか?寒いのは辛いですが、また昨年のような暖冬だと少し不安になりますね。暖冬だとしもやけができにくいので、私の母親にとってもそれは喜ばしいことですが、やはり環境は気になります。平年並みというのが一番安心できるのかもしれませんね。
もしも、今年母親の耳にしもやけができたら、暖かい耳あてでもプレゼントしてみます。
Posted by 霜月探訪員2号| 時事通信〜しもやけと地球温暖化
<No010
-002>Nov-2007
あなたも騙されるかも? 不動産にからむ詐欺
〜ドラマ編ver.17〜
不動産取引というものは、概して大きなお金が動きます。
詐欺を働く輩というものは、これを見逃すわけはありません。
騙されるなんてありえない、自分に限って・・・って思っている、そこのあなた。
あなたも、まんまと引っ掛かっているかもしれませんよ。
前回に引き続き、不動産にからむ詐欺について、ドラマ形式にてご紹介していきます。
このドラマから、どうすれば被害に遭わないようにできたのかを検証していきましょう。
もちろん、このドラマはフィクションであり、実在の団体や個人とは何の関係もありませんので、ご承知ください。

「知らないうちに息子ができた」

山下が来たのは、桜がすっかり葉桜になった風の強い日だった。
普段は滅多に鳴らない玄関チャイムが鳴りドアを開けると、そこには作業服に身を包んだ丸顔の30代くらいの人の良さそうな男が立っていた。
それが、山下だった。
「こんにちは、この先のお宅で屋根瓦のやりかえをしているんですけど、ついでにこの辺りの家の屋根を無料で点検させてもらっています。」
そう言って、山下は人なつこい笑顔を浮かべた。
知らない人は、あまり尋ねてこない家だが、それでもたまには、スーツを着たいかにも営業マンらしきの男が来ることがある。
時には浄水器やら、時には換気扇フィルターを売るために。
でも、今回は作業着を着た人の良さそうな男で、作業の合間にやってきたと言う。
それが、稲本のおばあさんの警戒心を緩めさせた。

「無料なら、診てもらってもええよ」
10年以上前に、大きな地震があった直後に屋根瓦がずれて補修をしてもらったことがある。
でも、それ以後何もしてこなかったし、決して新しいとは言えないこの家の屋根も、そろそろやり替えてもいいかと思っていたところだった。
山下は、手馴れた手つきで2段になった長梯子を軒先に掛けると、見た目よりも俊敏に昇っていった。
稲本のおばあさんは、長梯子の先を見つめて、山下が屋根を歩く音を聞いていた。
少し耳も遠くなったようだ。
音らしい音も聞こえない。
稲本のおばあさんは、作業を見るのを諦めて、庭に面した縁側に腰を下ろした。
10分も経っただろうか、梯子を伝って庭に降りてきた山下はポケットから小さなカメラを取り出した。
最近のカメラは、ほんとに小さくなったなあ。
幼い頃には、カメラを持っている家は限られ、それを持つことは一種の金持ちの証でもあった。
カメラを自在に操作する父親を、子供の頃の稲本のおばあさんは、少し誇らしいと感じていた。
そんなことを思いながら、話をする山下の言葉に耳を傾けた。
「以前、一部補修されているようですが、他の部分で瓦がずれて痛んでいる部分があります。これがその映像です。」
そう一生懸命に説明をしながら、小さなカメラの裏側に映し出された画像を差し出す山下に好感を覚えた。
結局、山下の言うように屋根瓦の葺き替えを行うことにした。
どうせ、そろそろと思っていたことだ。
値段は、150万円。
高いのか安いのかよく判らないが、まあそんなものなのだろう。
まだ息子が家にいた頃に、屋根の葺き替えをしたのだが、息子が何から何まで仕切っていたし、値段なんて覚えてもいない。
作業服に身を包んだ、この山下は、なんとなく悪い人でもなさそうだ。
稲本のおばあさんは、息子よりも少し若いくらいの山下の出す契約書に捺印をした。
Posted by お住まい博士| 不動産トピックス<No051-001>Nov-2007
山下は翌日もやってきた。
屋根の葺き替え工事は1週間後になるそうだ。
工事の話もそこそこに、山下は自分の家族の話を始めた。
「実は、私の実家は島根県なんです。そこには、稲本さんと同じくらいの年齢の母親が1人で住んでたんですが、去年に亡くなってしまいました・・・亡くなるのなら、もっとしょっちゅう実家に帰って、少しでも親孝行しておけばよかったって思ってるんですよ。」
山下は遠くを眺めた後、少し悲しそうな笑顔を見せた。
稲本のおばあさんも、相槌をうちながら、次第に自分の環境も話し出した。
「そっかあ、うちもね・・・東京の大学に行った息子は、そのまま東京の会社に就職して働いていたんやだけど、癌になってしまって・・・あんなに元気やったのに、病気が判ってから1年もしないうちに逝ってしまってね」
「あんなことなら・・・」
稲本のおばあさんは、自分よりも先に旅立った息子を思い出し、言葉を詰まらせた。
自分の息子、自分の母親、遠方に離れたまま無くしたという境遇の似たところで感じるところがあったのだろうか、稲本のおばあさんは、山下を他人のようには思えなくなってきていた。
Posted by お住まい博士| 不動産トピックス<No051-002>Nov-2007
「近くの現場で工事していますから、ちょっと寄らせてもらいました。」
それから山下は、毎日のように顔を出した。
もちろん工事期間中は、現場の監督というよりも、稲本のおばあさんの話し相手のように家の中にいる時間の方が長かったくらいだ。
いろいろな話をしているうちに、稲本のおばあさんは、駅前に300坪の土地を持っていることが判った。
代々相続してきた土地だが、相続を繰り返すうちに相続税を支払うのに切り売りし、今では300坪だけになってしまったとのこと。
独り息子を失った今、相続するのは孫娘になるのだけれども、未だ未成年のうちに相続になってしまうと息子の嫁のいいようにされることが我慢ならないと言う。
愚痴とも相談ともつかない口調で、山下に話をしていた。

300坪だけって?
駅前に300坪となると、どう安く見積もっても1億5000万円にはなる。
屋根の葺き替え工事が終わっても、山下は週に1度は訪ねてきた。

それから1ヶ月が過ぎようかと言うとき、山下はこう話をした。
「そういえば、最近問題になっている年金のことやけど・・・おばあちゃん知っている?」
「今回、年金制度のいろいろな問題が出てきたから、もう一度きちんと照合するために、年金の申請をし直ししないといけないらしいんだよ。でないと受取れなくなるみたい。」
それは、大変だ。
「それってどうしたらええんやろ?」
「そうやな〜、僕もようわからへんから、今度行政書士の先生を連れてくるわ。先生なら全て代理してやってくれるみたいやし。」
「そうか、ほな頼むわ。ありがと」

Posted by お住まい博士| 不動産トピックス<No051-003>Nov-2007
それから3日して、山下は行政書士を連れてきた。
何やら、とても沢山の書類に印鑑を押した。
印鑑証明も必要だということだが、親切にも取ってきてくれるというので、印鑑登録カードも渡し、取ってきてもらった。

それからも山下は時々稲本のおばあさんの家に出入りし、こまごまとした用事をしてくれたり、話し相手になってくれたりしていた。
しかし、次第に訪ねてくる回数が減り、3ヶ月が経った頃には連絡も無くなった。
「最近あの子から連絡ないけど、どうしたんやろ?たぶん忙しんやろな。」
「年金も、あの子のお陰できちんと振り込まれてるし、ほんま親切な人や」
稲本のおばあさんは、そう思いながらいつも通りの平穏な毎日を送っていた。

年が明けて彼岸がやってきたとき、思いがけない来客があった。
もう何年も会っていない死んだ夫の弟夫婦だ。
「いや〜ご無沙汰しています。元気かいな?」
ひとしきり近況報告やら、思い出話に花が咲いた後、妙なことを訊ねられた。
「ところで、さっき駅前を通ってきたとき、兄貴が相続した土地に建物建築予定の看板が出てたんやけど、売ったんか?べつに売ろうがどうしようが、兄貴が相続したもんやから、いまさらとやかく言うつもりはないんやけど・・・」
え?どういう事や。
「そら何かの間違いやろ、あんた久しぶりに来たから、場所間違えてるんとちゃうか?」
「何言うてんねん、子供の頃から育ってきた地元やのに間違う訳ないやん。」
「そう言われたらそうやな。そやけどうちは売った覚えはないし、そんなことせなあかんほど生活に困ってもないし。」
「そうやろな〜。そやから不思議に思うたんや。一緒に行って見てみるか?」
義弟は車で来ているということなので、乗せてもらって一度見てみることにした。
車で10分程度。
膝の具合が悪くなってからは、用事が無い限り駅前まで来ることもなく、この土地に来るのも1年ぶりくらいだ。
土地の周りには建築現場で使われるようなスチールの塀がされており、中がよく見えない状態になっている。
でも、貼り付けてあるプレートには、マンションが建てられるような内容が記載されていた。
「なんやこれ。何で勝手にうちの土地がこんなことになってるんや。」
「ちょっと電話して聞いてみるわ。」
義弟は携帯電話をポケットから取り出して、記載されている電話番号に電話をしてみた。
「あの〜朝日町の駅前にある土地なんですが・・・これうちの土地なんですが、お宅のマンションが建てられるみたいな看板が出てて、塀がしてあるんですが・・・」
義弟は携帯電話を耳にあてながら、何度かうなずくと、「でも所有の稲本が売ってないって言ってるんですけど・・」また義弟は何度かうなずいた。
「判りました。じゃあ少し調べてみます。」そう言って携帯電話をポケットにしまった。
「なんか、どこかの会社からこの土地を買ったって言ってるんやけど、登記簿謄本を確認してもらうと、稲本からその会社に売られて、それからこのマンションを建てる会社が買ったらしいんや。まさか義姉さん、売ったん忘れてボケてもたんちゃうやろな?」
「何言うてるんや。こんなにはっきりしてるのに・・ええ加減にしいや。」
久しぶりに大きな声を出した。
「まあそやな、それだけ怒れるんやったら大丈夫や。でもどういうことやろ?なんやったら会社で付き合いのある弁護士に調べてもろたろか?」
「そうやな、ほなそうしてもらおか。」
Posted by お住まい博士| 不動産トピックス<No051-004>Nov-2007
1週間ほどしてから、義弟から電話が掛かってきた。
「あんな〜、義姉さん。山下って人知ってるか?」
山下?ああ、あの親切な現場監督や。でも何で・・・
「ああ知ってる。山下で知ってるいうたら、以前うちの屋根の葺き替えしてもろた現場監督や。なんで山下をあんたが知ってるねん?」
「その時、なんか書類書いたり印鑑ついたりせ〜へんかったか?」
そう言えば、年金の申請で印鑑をついたことを思い出した。
「なんや遠回りな言い方して、あの子がどうしたんや。」
「いや、あのな、義姉さんは山下を養子にしてるんや。それから義姉さんの判断能力が低下しているからということで、成年後見制度を利用して、山下が後見人になってるんや。そうなると山下は義姉さんを代理して契約をすることができる。それで、山下は義姉さんを代理して堂々と土地を売ったってことみたいや。」
「そんな話、初耳や。養子なんかとってへん。うちがあの子にしてもらったのは、年金の申請だけや。そやけど、あの子がそんな悪いことするわけない。万一そうやったとしたら、何かの事情があるんやろ。」
「義姉さんも人が良すぎるわ。第一何の話も無く売ったっていう事実があるんやし、第一、義姉さんにお金を受取った訳でもないんやろ?」
そう言われれば、そうだ。
でも、証拠を見せられるまで信じられない。
まさか、あの子が私を騙すなんて・・・。
Posted by お住まい博士| 不動産トピックス<No051-005>Nov-2007

―あとがき―


今回は、成年後見制度を悪用した詐欺という話です。
認知症や精神障害などの理由で判断能力が不十分な場合は、自分で必要な契約を結んだりすることが困難であったり、不利益な契約でも結ばされたりする場合が懸念されます。
そこで、後見人や保佐人を選出して、判断能力が低下した人を代理して法律行為ができる成年後見制度を設けているのです。
今回は、この制度を悪用し、本人が知らないうちに養子縁組をさせられ、成年後見制度の申し立てをされて、勝手に財産を処分されるという事態になってしまいました。
判断能力が不十分かどうかは医師による鑑定があったり、家庭裁判所の審判があったりして、簡単に後見制度が悪用されないようにされているようですが、詐欺師ならその辺りも上手にかいくぐるのでしょうね。
まずは、訳の判らない書類に署名捺印をしないことです。
それに、相談できる人を身近に作っておく事も大切なのかもしれませんね。
稲本のおばあちゃんは、年金の手続きということで書類に捺印させられたようですが、署名捺印する前に、それが目的の書類なのかどうか、きちんと目を通してから行うようにしましょう。
稲本のおばあちゃんが、最後まで山下をかばっているように、詐欺師は相手を信頼させた上で実行することが往々にしてあるようです。
親切な人を信じられないというのは少し淋しい話しですが、盲目的に信じてしまうのではなく、注意して行動するということも大切なのでしょうね。
Posted by お住まい博士| 不動産トピックス<No051-006>Nov-2007
家を買いたい、借りたいと思った時、
貴方は情報はどうやって集めていますか?
公益団体の社団法人全日本不動産協会が提供する不動産情報検索サイト「ZeNNETでは、さまざまな条件で家探しができます。
豊富な不動産情報の中から、
あなたにピッタリの家が必ず見つかるはず!
こちらから→
ZeNNET」はこんなことができるサイト
様々な売買物件を検索可能
マンション、一戸建などの住まいの売買物件情報のみならず、店舗や事務所のような事業用売買物件など、幅広い物件を新築から中古まで検索可能です。
居住用から事業用まで賃貸物件を検索可能
検索方法も複数の都道府県にまたがった検索もでき、エリアからも、沿線からも検索可能で、絞り込み検索もできます。
不動産会社からも検索可能
所在地、沿線・最寄駅からの検索のみならず、お住まいになりたい地域の物件を持っている不動産会社を検索できますので、ご希望の地域でのお住まいを探すことが可能です。
メールで希望物件の新着情報をお知らせ
お客様のご希望条件にあった新着の物件情報をいち早くメールでお届けいたします。登録後のご希望条件の変更も可能ですので、その時のご希望にあった新着物件の情報が、電子メールにてお手元に届きます。
近畿2府4県の物件情報を会員に提供。
円滑な不動産物件の流通を促進しています。
社団法人全日本不動産協会
全日本不動産近畿流通センター
オフィシャルサイト
こちらから→
各県本部運営サイトへのリンク
●滋賀県・全日本不動産協会
http://www.shiga.zennichi.or.jp/
●京都府・全日本不動産協会
http://www.kyoto.zennichi.or.jp/
●大阪府・全日本不動産協会
http://osakahonbu.zennichi.or.jp/
●兵庫県・全日本不動産協会
http://www.hyogo.zennichi.or.jp/
●奈良県・全日本不動産協会
http://www.nara.zennichi.or.jp/
●和歌山県・全日本不動産協会
http://wakayama.zennichi.or.jp/
(c)2007 有限会社セット・インターナショナル
[rabbit-press]に掲載されている記事、画像の無断複製および転載を禁じます。
Copyright (c) 2007 SET INTERNATIONAL inc.
No reproduction or republication without written permission.
Administer: rabbit@set-inter.com